スリンダの避妊メカニズム:3つの作用
スリンダの避妊効果は、主に3つのメカニズムによって発揮されます。これらの作用が複合的に働くことで、高い避妊効果を実現しています。
スリンダの避妊メカニズム:3つの作用
1. 排卵抑制作用
スリンダの主な避妊メカニズムは、排卵の抑制です。ドロスピレノンは視床下部-下垂体-卵巣軸に作用し、LHサージ(黄体形成ホルモンの急上昇)を抑制します。これにより排卵そのものを防ぐことができるのです。
従来のPOP(レボノルゲストレルなど)では排卵抑制率が50%程度でしたが、ドロスピレノンを含むスリンダでは90%以上の排卵抑制効果が確認されています。これが高い避妊効果につながっているのです。
2. 頸管粘液の変化
スリンダは頸管粘液の粘性を増加させる効果もあります。頸管粘液が粘り気のある状態に変化することで、精子が子宮内に入るのを物理的に防ぎます。これは排卵が起きてしま
3. 子宮内膜への影響
さらに、スリンダは子宮内膜に変化をもたらし、受精卵の着床を阻害する可能性があります。子宮内膜を薄くすることで、万が一受精が起こっても着床しにくい環境を作り出すのです。

スリンダの避妊効果:パール指数で見る信頼性
避妊効果を客観的に評価する指標として「パール指数」があります。これは100人の女性が1年間その避妊法を使用した際に妊娠する平均人数を示すもので、数値が低いほど避妊効果が高いことを意味します。
スリンダのパール指数は、正しく使用された場合0.41とされています。これは低用量ピル(COC)の0.3~0.9に匹敵する高い避妊効果です。つまり、100人の女性が1年間スリンダを正しく使用した場合、妊娠するのは平均して0.41人ということになります。
他の避妊法と比較してみましょう。コンドームのパール指数は一般的な使用で2~15、基礎体温法は3~20、そして避妊しない場合は約85です。これらの数値と比べると、スリンダがいかに信頼性の高い避妊手段であるかがわかります。
主な避妊法とパール指数の比較
- スリンダ(ミニピル・ドロスピレノン):0.41(正しく使用した場合)
- 低用量ピル(COC):0.3~0.9(正しく使用時)
- IUD(銅付加):0.6~0.8
- IUS(ホルモン付加):0.1~0.2
- コンドーム:2~15(一般的な使用)
- 基礎体温法:3~20
- 避妊しない場合:約85
ただし、どんな避妊法にも100%の効果はないことを理解しておくことが大切です。また、スリンダの高い避妊効果を得るためには、正しい服用方法を守ることが重要です。

スリンダの特徴:低用量ピルとの違い
血栓リスクの低減
低用量ピルで問題となる血栓症のリスクは、主にエストロゲン成分によるものです。スリンダはエストロゲンを含まないため、血栓症のリスクが大幅に低減されています
これにより、これまで血栓などのリスクのために低用量ピルを使用できなかった女性でも使用できる可能性が広がります。例えば、35歳以上の喫煙者、高血圧や脂質代謝異常のある方、前兆のある片頭痛を持つ方などです。
幅広い女性に適応可能
スリンダは以下のような方々にも使用できる可能性があります:
- 35歳以上で喫煙習慣のある女性
- 高血圧の女性
- 前兆のある片頭痛を持つ女性
- 血栓症のリスク因子を持つ女性
ただし、個人の健康状態によって使用できない場合もあるため、必ず医師に相談した上で使用を開始することが重要です。
服用方法の違い
スリンダは28日間連続で服用するタイプの避妊薬です。毎日一定の時刻に服用することが重要で、服用時間の厳守が避妊効果を高めるポイントになります。
低用量ピルの多くが21日間の実薬服用と7日間の休薬期間(または28日間連続でプラセボ錠を含む)という服用パターンであるのに対し、スリンダはヤーズ配合錠やドロエチ配合錠と同じく、24日間の実薬服用と4日間の休薬期間という服薬パターンとなっています。
